ナワリヌイ氏、死亡直前に身柄交換で釈放計画か ドイツで服役中のロシア保安局元大佐と

ロシアのプーチン政権と対立し北極圏の刑務所で死亡した反政府活動家アレクセイ・ナワリヌイ氏の陣営は26日、同氏が死亡する直前まで、ドイツで服役しているロシア連邦保安局(FSB)元大佐ワジム・クラシコフ受刑者との身柄交換で釈放される計画が進んでいたと明らかにした。

陣営のペブチフ氏によると、ナワリヌイ氏と米国人2人の計3人の身柄を、クラシコフ受刑者と交換する交渉が最終段階にあると、ナワリヌイ氏が死亡した前日の15日に通知を受けた。計画は仲介役だったロシアの新興財閥オリガルヒの1人、アブラモビッチ氏からプーチン大統領にも伝えられていたという。

ペブチフ氏は、プーチン氏が最終段階でナワリヌイ氏釈放を認めず、殺害を決めたと主張した。

ナワリヌイ氏の広報担当者は26日、告別式を今週末に開くため会場を探しているとX(旧ツイッター)で明らかにした。

クラシコフ受刑者はロシア南部チェチェン共和国で独立派武装勢力の一員だったとされる男性を2019年にベルリンで殺害した罪で終身刑判決を受けた。

ナワリヌイ氏は16日、収監されていた極北ヤマロ・ネネツ自治管区の刑務所で死亡した。当局発表によると刑務所内で散歩の後に気分が悪くなり急死した。当局は当初、遺体引き渡しを拒んでいたが、24日になって母親リュドミラさんに引き渡した。死因究明や葬儀の実施を巡り、陣営と政権側の駆け引きが続いているとみられる。